一般的に看護師と聞くと、病院で常勤やパートで働いているイメージが強いですが、実際には看護師が活躍している場は病院以外にも沢山あり、働き方も様々です。
その為看護師は、自分のライフスタイルに合わせて、その時々の自分に合った職場や働き方を選択することができます。
派遣看護師として働くことも選択肢のひとつとなりますが、その派遣看護師も更に、単発、短期契約、長期契約など種類があり、派遣される場所も病院から施設、クリニック、企業など様々です。
常勤看護師が不足している多くの医療機関、施設にとっては、派遣看護師を雇うことで人員が潤い、業務を円滑にこなせるようになる(かもしれない)ということもあり、重宝されている存在でもあります。
それでは、そんな派遣看護師として働くメリットやデメリットについてはどのようなものが挙げられるのでしょうか。
ここでは、派遣看護師について、私の考えるメリットとデメリットを参考程度に、少し記載させて頂きたいと思います。
メリットとデメリットを踏まえ、派遣看護師として働く上で考えておくべきこと、知っておくべきこと、などについて、お伝えできたらと思います。
目次
派遣看護師のメリットとデメリット
派遣看護師のメリット
- 自分のペースで働くことができる
- 日給、月給が高い
- あまり重要な仕事は任されない
- 人間関係を気にしなくて良い
- 仕事をする上での色々な希望が通りやすい
①自分のペースで働くことができる
例えば
- 空いた時間に働きたい
- 短期間だけ働きたい
- とりあえず働きたいけど就職はまだしたくない
- 就職を希望している職場だけれど、内部事情を知る為にちょっと働いてみたい
など、自分の希望の働き方ができます。
私が今まで出会った派遣看護師には、派遣看護師という選択をした理由として、委員会や研修などに関わらず自由に仕事したいからという人も勿論いましたが、そのほかにも3ヶ月～半年程派遣で働いて、その後しばらく海外生活をする。帰国したらまた派遣で働いて、契約が終わったらまた海外へ飛ぶ、という生活をしている人が結構いました。
他にも、トライアスロンをやるために短期間で資金集めと言う人や、芸能事務所に入っているので看護師は副業という人、CAとして就職しているがもう少し稼ぎたいという人などもいて、派遣看護師という選択をする理由は様々です。
自分のペースやライフスタイルに合わせた働き方ができるというのは大きなメリットだと感じます。
②日給、月給が高い
例えば正看護師で、派遣で日勤をやるとすると時給は大体二千円前後、夜勤では一回三万～四万程度。
単発で働くと結構良いお小遣いになるし、長期で働けば月給は常勤で働く看護師と同じくらいか、勤務日数によってはそれ以上稼ぐこともできます。
以前同じ職場で働いていた人で、夜勤専従で3つの職場を掛け持ちしているという派遣看護師がいました。
A病院で夜勤をし、明けの日の夕方から今度はB病院で夜勤。そのまた明けの日の夕方から、今度はC病院で夜勤、というような生活の繰り返し。
丸々1日の休みは月に1～2回だと言っていましたが、その代わり月給は３桁超えると話していました。そりゃそうでしょう。
私は絶対真似したくないですが、稼ごうと思えばそれくらい稼げるようです。
③あまり重要な仕事は任されない
派遣看護師に対しては必要最低限の指導しか入らず、病院の体制や患者の説明なども細かくされないので、常勤看護師と同じ仕事をするにしても、あまり手のかからない患者の担当や、フリー業務などを任されることが多いです。
また細かな就業条件については派遣会社と契約を結んでいるため、常勤とは違い数分でも残業すると残業手当が発生することがあります。
その残業代も常勤と比べると高くつくし、あまりにも残業が多いと、契約内容と違うとして病院の印象が悪くなったり契約を切られたりすることもあるので、派遣看護師には基本的に残業をさせないように対応する所が多いように感じます。
時間できっちり帰れるように常勤がサポートすることもあり、仕事内容は常勤に比べると楽であると感じます。
④人間関係を気にしなくて良い
これは説明するまでもないと思うのですが、いずれ辞めることが決まっている職場であるので、多少嫌な人がいても割り切って働くことができます。
職場の人間関係に巻き込まれることもほぼない為、その点では楽に働くことができるのではないかと思います。
⑤仕事をする上での色々な希望が通りやすい
実際に働いてみて、契約内容と違う、こんな扱いをされて不快な思いをした、など、何か不満が生じた場合に派遣会社にそれを伝えると、派遣会社が対応してくれます。
内容にもよりますが、迅速に対応、改善されることが多いです。
シフトも、自分の希望した日にほぼ確実に仕事に入ることができます。
私が以前働いていた病棟では夜勤の派遣看護師を多く雇っていたのですが、常勤よりも派遣看護師のシフトを優先的に組んでいた為、派遣看護師の勤務希望日が出揃わないとシフトが作れないという事態になっており、シフトが完成するのがいつも月末でした。
一度シフトが完成しても、派遣看護師の都合で勤務日が変更したりするとすぐに作り直しが入り、常勤の夜勤を削ってでも派遣優先で組んでいたので、色々と融通がきくと感じます。
派遣看護師のデメリット
①ボーナスがない
②休み辛い、休めない
③あまり経験がない、またはブランクが長いと難しい
④派遣時期が長いと、就職時不利になることがある
⑤福利厚生が受けられない
①ボーナスがない
日割り、月割りで考えると高給ですが、派遣看護師には常勤では必須のボーナスがありません。
その為、常勤と同じくらいの時間働いていても、年収で考えると常勤より劣ることもあります。また、周りがボーナスをもらっている時にもらえない悲しさはあると思います。
②休み辛い、休めない
単発で入る場合などは特に派遣会社から、休まないで下さいと念を押されたりします。
予定通り派遣できないと会社の信用問題に関わることになる為、休まれると、派遣会社は勤務日ギリギリまで代わりの看護師を探さなければならなくなるので一大事です。
続けば派遣会社からの信用を失うことになり兼ねません。
私も大分昔、本職の病院に勤めつつ副業で派遣会社を利用していた時に、一ヶ月のうち単発で数日派遣の仕事を入れていたのですが、ある日手を骨折しました。
皮肉にも派遣先は訪問入浴だったため、全てキャンセルせざるを得なくなり、それが原因で仕事をもらえなくなりました。
どうでもいいことですがその翌月、また別の派遣会社で同じように単発で数日訪問入浴の仕事を入れたのですが、今度は足を骨折しました。
休んだらまずいと思い、足ならなんとかなるだろうと思って冷や汗ながしながら訪問入浴に行ったという苦い経験があります。
また休むと全く給料が入らなくなるので、それを考えても休み辛いと思います。
③あまり経験がない、またはブランクが長いと難しい
派遣会社に登録するときに面接で、一応会社側から看護師としての経歴や希望の派遣先を細かく聞かれますが、私個人の意見ですが、あの面接で話したことはちゃんと参考にされているのだろうかと疑問に思うことがあります。
シビアな条件を提示している派遣先を除いて、看護師経験の浅い人でも、結構色々なところに派遣されます。
私が実際に働かせて頂いた派遣先の職員から聞いた話ですが、アネロイドでの血圧測定ができない、拘縮している患者の脱衣着衣ができない、点滴の滴下調節ができない、薬の知識が皆無等、色々な看護師がいて困ったことが多々あったと聞きました。
どうやら派遣会社からは、バイタルが測れれば大丈夫だからと言われていたようです。
その派遣会社の対応に問題があるのは勿論ですが、短期間しか働かない職場だとはいえ、給与が発生する「仕事」であることに変わりはありません。
看護師側も、資格を持ったプロとして派遣され、殆ど指導されることもなく業務に入ることになる派遣看護師として働くのであれば、ある程度の経験は備えておく必要があるのではないかと感じます。
④派遣時期が長いと、就職時不利になることがある
これに関しては必ずと言うわけではないと思うので参考程度に。
派遣歴の長かった人が就職を希望した場合、私が実際見てきた感じでは、履歴書の経歴の大部分、若しくは長期間が派遣で埋まってしまっていると、就職先がそれに納得できる理由がある場合を除いて、面接で落とされる、若しくは受かっても入職前から危険フラグを立てられるということがあります。
就職せずにずっと派遣でやってきたということは何かあるのではないか、知識技術面は大丈夫か等、色々と問題視されてしまうことも多いと感じます。
いずれ就職を考えている人などは、派遣で働く期間も考えた方が良いのかもしれないと思います。
⑤福利厚生が受けられない
前述していますが、派遣看護師は派遣会社と契約をしているので、勤務日数によっては派遣会社が保険や年金の手続きをしてくれて、それらには加入できる場合もあり、また有休が貰えることもあります。
しかし、病院側が設けている福利厚生、例えば寮や託児所、産休や育休、慶弔休暇などは利用できません。
福利厚生は日々働く上での重要な安心材料ともなる為、これらが一切受けられないのはマイナスポイントと言えます。
派遣看護師のメリットとデメリット～まとめ～
以上、私の実体験などを踏まえ、私の思う派遣看護師として働くメリット、デメリットを記載させて頂きましたが、働く上で何を重視するかは人それぞれ。
それ故、ここに記載したことが、必ずしも個人にとってメリット、デメリットになるとは言い切れないと思いますが、自身や自身の生活がより充実したものになるよう、働き方の選択の1つとして、少しでも参考になればと思います。
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