看護師をしていると少なからず、急変に立ち会うこともありますよね。中には「私、最近よく急変に当たるんだよね~」なんていう方もいるかと思います。
今回は、そんな急変に当たったとき何するのかと、急変に備える心構えについて紹介していきます。最近よく急変に当たっている方、まだ、急変の対応をしたことのない方、ぜひ参考にしてください。
目次
急変時の対応について
急変とは??
まず、急変とは何でしょう。急変するとよく言いますが、具体的な急変の定義はありません。そのままの意味として「状態が急に変わること」です。いつもとバイタルサインが違う、呼吸がおかしい、意識レベルが下がっているなど、重篤な状況に陥る可能性のある状態を指しています。よく、「何かいつもと違う気がする」と言いますが、その観察はだいたい的中します。その何か違うを見逃さないようにしましょう。
何かおかしいがポイントです。
何にかおかしいという気づきを見逃さないためには、まずは観察です。全身の観察を行いましょう。
観察のポイント
- 呼吸状態(呼吸の有無、呼吸回数やパターン、速さ、深さなど)
- 顔色、意識レベル
- 皮膚の状態(チアノーゼや出血など)
最低でもこの3つは観察しましょう。
急変の発見!!まず応援を呼びましょう!!
自分の担当の患者様や、院内で急変に出くわすこともあると思います。検温中、急に意識レベルが下がった、もしくは大出血をしているなど様々な場合が想定できます。そんな場面に出くわしたら、誰でもあせります。たぶんベテランの看護師でもあせると思います。10年を超えるほど看護師をしていますが、私も急変に慣れることはありません。でも、あせって判断を間違えないよう、そんなときこそ落ち着きます。そしてまずは人を呼んでください。一人で対応しようとせず、なりふり構わず、近くの看護師に声をかけてください。近くにナースコールがあれば緊急コールを押したり、近くになければ叫んでください。
そして、もし余裕があれば、状況を伝えましょう。何号室の○○さんの意識がありません。救急カートを持ってきてください。やドクターコールをお願いします。や病院によってはエマージェンシーコールなどがあるところもあると思います。
応援が来るまでに可能であれば、バイタルサインを測定できるとベストです。近くに血圧計がないのであれば、触診で出来る範囲で観察することも出来ると思います。橈骨動脈、上腕動脈は触れるか、触れなければ頚動脈はどうかなど、道具がなくても出来ることはたくさんあります。急変時のフィジカルアセスメントなどの研修会でよく言われるのは、触知できる部位で大体の収縮期血圧を予測できます。
- 橈骨動脈が触知不能であれば血圧80mmHg以下
- 大腿動脈が触知不能であれば血圧70mmHg以下
- 頚動脈が触知不能であれば血圧60mmHg以下
と言われています。勉強してみましょう。
また、応援が到着する前に一次救命処置(BLS)や二次救命処置(ACLS)を行いましょう。
応援が到着したら、役割を確認します。
応援が到着したら、応援の人に状況を伝えます。バイタルサインや呼吸状態など伝えましょう。次に役割を確認します。
自分がリーダーや指示する立場ならば、応援に来たスタッフに指示しましょう。指示するときは、落ち着いて、ゆっくり、具体的に指示しましょう。主として補助する立場なのであれば、医師の介助に付き、作業しやいよう環境整備等しましょう。応援にきた立場なのであれば、手伝えることはあるのか確認しましょう。介助についている看護師の受け持ち患者の観察など代わりにしないといけないことがあるかもしれません。最初は何も出来ないからと応援にも行かないという方もいるかもしれませんが、やはり看護師もチームなので、まずは駆けつけてください。そして、声を出して出来ることはありますかと伝えてください。お願いしたいことがあるかもしれません。また、応援を呼んだ人も応援に来た人も声を出して役割を確認するとスムーズに出来ると思います。
全て記録する!!そして家族への連絡
救急処置が始まったら、記録している人がいるのか確認してください。いないのならば、必ずしましょう。発見した場所、時間、状態などのちのちに治療に生かされます。また、何かあったとき自分を守る手立てにもなります。バイタルサインなど全て記載しておいて、後に必要なものと必要でないものと分けて残してもいいと思いますので、まずは全て記録しましょう。
そして、もう一つ確認しないといけないことは家族への連絡です。リーダー看護師がすることが多いかと思いますが、緊急処置を行っていることや場合によっては病院へ向かってもらう必要があるかもしれません。医療従事者にとっても緊急のことであれば、家族にとっては一大事となる出来事です。きちんと正しい情報を伝えられるよう、記録を残しておきましょう。また、その際には家族の方に不安をあおるような言い方は避け、穏やかな言い回しで伝えることが重要です。電話の内容としては、あえて全てお伝えせず、「詳細は病院で説明させていただきますので、来院をお願いします。」と言うのもありかもしれません。病院によってはマニュアル等があるところもあると思いますので、確認してください。
急変に強い看護師になるための心構えは?
それは、やはり勉強し、予備知識を増やしておきます。また、合わせて技術力も向上させておくといいです。緊急時の研修会の参加や看護技術向上の研修会など積極的に参加しましょう。
- 自分でできることとして・・・
- 救急カートの中身の確認と薬剤の薬効や作用時間などを事前に調べえておく
- 緊急時に使用する物品の確認と、使用方法の確認
- 気管内挿管の介助ができるよう練習しておく
- 病院内の緊急時の対応マニュアル等を確認しておく
- 受け持ち患者の緊急連絡先がきちんと記載されているか確認しておく
などが挙げられます。
看護師が急変に対応するときの役割と心構え~まとめ~
急変は予測できません。そして、できればあたりたくないです。ですが、看護師は国家資格をもつ職種です。いつ急変に立ち会っても対応できるよう、勉強しておくことが求められています。知りませんでしたでは、やはり行かない世界なのかなとも思います。もし、自信がなければ、近くに見本にしたい先輩や上司はいませんか?そういう方から、学ぶことがたくさんあるはずです。直接聞いてみるのも一つの手段です。
いざと言うとき、てきぱきと対応できる看護師になりたいものです。そしてきっとそんな看護師が患者様からも信頼していただけるのかなと思います。
今回は看護師が急変に対応するときの役割と心構えについてまとめました。最後までお読みくださりありがとうございました。
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