グループ病院とは、拠点となる病院を中心に、全国に様々な科、規模の病院や施設などを数多く展開する大規模な医療組織です。
グループ病院の中には、特定の分野のみならず、急性期や慢性期の病院、療養型の病院、回復期リハ病院、クリニック、老人ホーム、デイサービスなど、グループ内で幅広い分野の医療施設を所有しているところもあります。
その為、余程有名な所ではない限り、病院、施設名を聞いただけではグループ病院かどうかはなかなかわからないことが多いです。
調べてみて初めて、「え、ここもあのグループの病院だったの?」と気づくこともあったりします。
転職の際には就職を希望する病院がグループ病院かどうかをまず調べておくのが良いと思います。
なぜなら、グループ病院にはグループならではのメリットやデメリットが存在するので、その点をしっかり踏まえた上での入職でないと、後々後悔する可能性もあるためです。
ここでは、そんなグループ病院に勤めるメリット、デメリットをご紹介していきたいと思います。
目次
看護師がグループ病院で働くメリットとデメリット
看護師がグループ病院で働くメリット
- 福利厚生が充実している
- 経営が安定している
- グループ内で転職ができる
①福利厚生が充実している
グループ病院はどこも、福利厚生が充実していることが大きなメリットと言えます。
例えば、寮や託児所が備わっている。
(グループによっては家具家電付きの寮に格安で住めたりします。)
またスタッフの受診や薬代が無料、または補助が出る。
海外研修に無料で参加できる制度がある。
医療職の育成を目的とした、奨学金制度や資格取得の為の支援制度がある。
病院と契約を結ぶ施設利用(ホテルやサロン、テーマパークなど)の補助や優待。
その他にも、グループローンなど、融資制度を取り入れている病院などもあります。
私が勤めていたグループ病院では、受診や入院が必要となった際に同じグループの病院を利用すると、3001円以上の治療費は全て病院が負担してくれるという制度がありました。
要はグループ病院を利用すれば自己負担は最大で3千円ということです。
実際私は手を骨折した時に手術入院が必要となり、職場に同じグループの病院を紹介され、入院して手術を受けました。
退院時支払った金額は10万程だったのですが、後々その金額がほぼ全て返って来ました。
あれは今でもとても有り難い制度だったなと感じます。
ちなみにその制度はスタッフの家族にも適応されるので、とても助かりますよね。
グループ病院の福利厚生は充実していることが多いですが、内容は病院によって異なりますので、事前にしっかり確認しておくのが良いと思います。
②経営が安定している
グループ病院は単独経営の病院と比べ、経営が安定していると言えます。
単独経営では赤字が続けば簡単に経営難に陥りますが、グループの場合はどこかの病院が赤字でも、それを黒字経営の病院が補うことが可能です。
多くの病院、施設が支え合って経営している為、経営状態は比較的安定しており、グループ病院はまず潰れることがないとも言われています。
そういった面ではとても安心して働ける病院と言えます。
私が勤めていたグループ病院も、家を購入する際などの大きなローンの審査に強いと聞きました。
グループ病院というだけで、かなりの信頼を得られるとのことです。
③グループ内で転職ができる
希望すれば、同じグループ内の病院や施設に転職することも可能です。
同じグループ内で転職することで、それまでの職場での勤務年数や有休などはそのまま引き継がれることが多いです。
勤務年数が引き継がれることで、その後の退職金の金額も大分変わりますので有り難いですよね。
また、全く別の病院への転職となると有休が発生するまでには数ヶ月を要すところを、有休を所有したまま転職できるというのも魅力です。
看護師がグループ病院で働くデメリット
- 給料はあまり高くない
- 融通はきかない
- グループ内で異動やヘルプを指示されることがある
①給料はあまり高くない
グループ病院は、あまり給料は高くない傾向にあります。
月給も年収も他の病院と比べるとやや劣る場合が多いように思いますが、中には月給、年収は他と大差ないけれど退職金がほぼ出ない、というところもあり、結局総合的に見るとやはり支払われる金額が少なめと感じます。
給料が少ない分を福利厚生の充実さで補っているというところが多いようです。
②融通はきかない
単独経営の病院などでは、働き方や給与面など、相談することで個人的に優遇してもらえることもありますが、グループ病院ではそういった個人的な対応は望めません。
働き方や給与だけでなく、業務のことなどに関しても既にグループで決まっていることについて変更を検討する際には、本部に掛け合う必要があります。
しかも本部に掛け合うまでの道のりも長く、1人のスタッフの為にそこまで動いてくれることも稀ですので、大抵は変わりません。
内容によっては検討してもらえることもあるでしょうが、基本的には個人的な融通はきかないと思っていた方が良いと思います。
③グループ内で異動やヘルプを指示されることがある
例えばグループ内の病院で人員不足が深刻な病院がある、または新規オープンする病院のオープニングスタッフが必要という場合など、同じグループの多数の病院からスタッフが応援に行ったりすることがあります。
それは異動であったり、一時的なヘルプ要員であったりと出向き方は様々ですが、いずれも業務命令として指示されるので、余程の理由がない限り避けられません。
しかも行かなければならない職場は場所が遠かったり、全く興味のない科の病院の可能性もあります。
異動ではなく一時的なヘルプ要員として行くにしても、応援に行く期間は単発から長期まで様々であり、それも職場の指示に従わなければなりません。
応援期間が長期で、あまりにも場所が遠い所だと寮を用意してくれたり引越し費用を負担してくれたりもしますが、突然慣れた職場を離れ、知らない土地に住み、新しい環境で働くことになるというのは精神的負担が大きいですよね。
こういった体制は、グループ病院ならではのデメリットだと思います。
看護師がグループ病院で働くメリットとデメリット〜まとめ〜
いかがでしょうか。
グループ病院に勤めるメリット、デメリットをご紹介させて頂きましたが、単独経営の病院にはない、グループ病院ならではの特徴が色々とありますよね。
福利厚生の充実さを重要視していたり、働きながら資格を取りたいと考えている人などには、グループ病院への転職も良いのではないかと思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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