転職を考える理由は人によって様々だと思います。
私も今まで何度か転職をしていますが、家庭の事情などで転職せざるを得ない状況を除いて、個人的な転職の理由は色々とありました。
私もそうですが周りの看護師を見ていても、職場への様々な面でのストレス等から、現状よりもより良い環境で働きたいと転職を考える人が多いように思います。
しかし、「もう嫌だ辞めたい」「もっと良い条件、環境下の職場で働きたい」「どこでもいいから早くこの職場以外のところへ転職したい」など、感情のみで動いてしまうと、良い転職には繋がりません。
ここでは、そのような職場環境を理由に転職を考える際に、感情的になって動くのではなく、自分の現状を振り返り、しっかり考えておくべきことについて記載します。
現状を少しでもより良いものに変えられる転職になるよう、参考になれば幸いです。
目次
看護師が転職前にもう一度振り返るべきこと
- ステップ1 転職を考えた理由は何かを明確に
- ステップ2 職場環境はどこも大差ないと考える
- ステップ3 妥協すべきことと優先すべきことを考える
ステップ1 転職を考えた理由は何かを明確に
自分が職場の何に最も不満を抱き転職を考えるに至ったのかを、まず明確にしましょう。
業務の過酷さなのか、職場の体制なのか、人間関係なのか、給料面なのか。
しばらく働いていれば、それこそ上記した全ての面で不満を抱くということもありますが、その中でも、「転職を考える程に不満と感じる一番の原因は何なのか」を考えます。
ストレスが溜まり過ぎると何だかもう職場の全てが嫌だと感じるようになって、何に一番不満を抱いているのかがあやふやになりがちですが、一度冷静になって考えてみましょう。
またその不満が、まだ我慢のできる範囲のことなのか、もう我慢できないという状態なのかもよく考えましょう。
転職を考えるくらいなので我慢できないということがほとんどかと思いますが、「その職場の自分にとってのメリットを考えても、不満は我慢できないかどうか」、と考えてみましょう。
例えば、上司のやり方に我慢できないけど給料は良いんだよな、という場合。
上司にはすごく不満だけど給料が良いからまぁ我慢しようと思えばまだできる、のか、給料の良さよりも上司に対する不満、ストレスの方が勝るのか。
前者であればもう少し頑張れそうです。
後者のような、現職場のメリットを含めて考えても不満が勝るような場合は次のステップに進みます。
ステップ2 職場環境はどこも大差ないと考える
ステップ1で、自分の職場に対する最も強い不満と、それがもうどうにも我慢できない状態ということまで明確になったら、ここで初めて転職を視野に入れることになります。
ただ、最初に書いてしまいますが、「働き方自体は大きく変えるつもりがない」ということであれば、はっきり言って職場環境の良し悪しに関してはどこに勤めても大差ありません。
働き方の大幅な変更というのは、働き方自体を変えて負担や不満を減らすということですが、例えば常勤からパートや派遣への変更や、大・中規模の職場から小規模へ、などの変更ということです。
そういった変更は考えていないのであれば、職場環境に対する不満は、感じ方は変われど大きく改善されることはほぼなく、不満自体はどこに行っても感じると個人的には感じます。
言い方を変えれば、転職しても自分の理想とする職場環境で働けるということはまずないということです。
転職して、確実に良い方に変化すると言えるものは給料くらいだと思います。
給料に最も不満があっての転職であれば、単純に今の職場よりも良い金額を提示しているところを探して転職すれば、実際にもらう金額が提示金額より下がることはまずないのでほぼ確実に改善されると思います。
ただそれ以外の不満、業務の過酷さ、職場の体制、人間関係などに関しては、働き方を変えない限り、転職してもほぼ良い方向には変わらないと思っていた方がいいです。
どこに行っても、必ずと言っていいほど同じような不満が出てきます。
でも、働き方を変えるのはちょっと…と言うのであれば、自分が明確にした最も改善を望むことを最優先に考えて、どこに行っても大差はないとしても、ほんの少しでも今より改善が望める職場、という視点で探す必要があります。
ステップ3 妥協すべきことと優先すべきことを考える
ステップ2で、例えば人間関係が一番の原因で転職をしたいと考えたとします。
そうであれば、転職先に優先的に求める条件は人間関係のトラブルが少ないこと、となるので、まず人間関係以外のことはできる限り妥協して転職先を探す必要があります。
多少給料が下がっても、多少過酷な勤務であっても、多少遠くても、とにかく人間関係をあまり気にしなくても良いような職場に絞って探す。
しかし、口コミサイトを見漁ったとしても、自分で確かな情報を得るのはなかなか難しいと思います。
そういった時は、転職会社を使うのも一つの手です。
人間関係が原因で転職を考えていることを相談し、そういったトラブルが比較的少ない転職先を探してもらう。
離職率、勤めている看護師の経験年数や年齢層、退職理由などを聞けば、その病院の人間関係がどのような感じかは大体予想がつきます。
転職会社もこちらが希望すれば、そういった情報も色々と細かく教えてくれたりしますので、とにかく人間関係で悩むのは嫌なのだとはっきり伝え、そこを重視して探してもらうのも良いと思います。
ただし、転職会社を使うにしても、前述の通り、人間関係を優先的に考えるのであればその他はある程度妥協する必要があります。
あれもこれもと言うのは現実的に無理です。
他は妥協しても良いからこれを絶対優先的に、と話した方が、探す方もそこを重点的に注意して探してくれます。
ただ、どんなに事前に情報を集めても、感じ方は人それぞれですので、実際に自分が入ってみてどう感じるかはわかりません。
それにこれも前述の通り、どこの職場も、不満に思う部分にそれほど大差はないと思いますので、どんなに人間関係が良好な職場と言っても、性格の悪い人、関わりづらい人は1人は必ずいます。
それでも現職場より少しでも改善が見込めるのであれば、そこは妥協する必要があると思います。
しかし、もうとにかく少しであっても人間関係で悩むのは避けたい!言うのであれば、そもそも人と関わることの少ない職場に絞って探す方が安全です。
一般企業の健康相談室や、コールセンター、保育園などが比較的人と関わることの少ない職場と言えます。
ただ、そういった職場では、スキルアップや給与面などでは妥協する必要があるでしょう。
転職を考えた原因が、過酷な勤務である場合も同様です。
もう少し精神的にも身体的にも楽な職場で働きたいと言うのであれば、それが一番の優先すべき項目と考え探します。
その為には給料や職場までの距離や、職場の体制、多少の人間関係などは妥協する。
しかし実際に勤務自体の過酷さは軽減され、改善されても、他の部分で過酷になるかもしれません。
でも根本の不満が改善されれば良いと考える必要があります。
職場の体制が原因の場合も同じです。
ただこれに関しては職場の体制と一言で言っても不満に思う内容は人によって細かく分かれると思います。
例えば、休みを取らせてもらえない、現状無理なことばかり求められフォローもしてもらえない、残業や休日出勤が多いなど。
こういった色々と不満に思う職場の体制の中でも、自分が最も不満と思うものの改善を優先的に考え、その他は出来るだけ妥協します。
希望休は取らせてもらえるけど公休は少ない、無理なことは求められないけどやるべきことは多い、残業や休日出勤はないけど組まれるシフトは過酷、など。
ここでもまた、改善された部分の代わりに新たに妥協すべきことが出てきたりしますが、自分が最も改善を望んでいたことが多少でも改善されたのであれば、その他は目を瞑る必要が出てきます。
結局、何にしても改善する為には何かを妥協する必要が出てくるので、結果、総合的に見てどこの職場も大差ない、となると私は感じるのです。
ただ、自分が一番優先としていることが明確であり、それが完全にとは言えなくてもある程度自分の思った通りに守られていれば、他のことは結構我慢できたりします。
それを実感してからは、転職が頭をよぎっても、
- 自分には今この職場にこんな不満がある、こんなに沢山不満がある、やってられない
- でも、この働き方を変えない限りは、どこの職場に行っても多分同じような不満が出るだろう
- 我慢できないくらいの不満点も多々あるけれど、転職でそこが多少改善されたところで恐らくまた違った部分で不満が出るのだろう
- それなら、自分がここは譲れないと言うところは今のところ理想に近いから、それさえ守られていればこの職場でもう少し頑張ってみようか
というように考えるようになりました。
実際私はこんな感じの会話を、よく職場の仲の良いスタッフ達と話しています。
ただし、職場に対する不満が、精神的に病んでしまうくらいのものである場合は別です。
違った面で妥協点が出るとしても、自分が最も不満と感じる部分の改善が臨める職場への転職が早急に必要となると思います。
実際、職場が原因でうつになってしまう看護師も多いですし、そうなる前に動くことが大切です。
看護師が転職前にもう一度振り返るべきこと〜まとめ〜
いかがでしょうか。
転職を考えた時に振り返りたいことを記載しました。
これらは、実際に私が転職を経験して感じたことです。
働き方を変えない限りは、どこの職場に転職しても職場環境は大して変わらない、不満は尽きることはない、というのが私の出した結論です。
しかしそれでも転職を決めたのであれば、不満点を絞り、その改善を一番の目的に転職先を探すことで、自分の抱える負担が軽減されるのは間違いないのではないかと思います。
そう考えてから私は実際に、前職場の不満点を明確にした上で、家から近いこと、残業がないこと、給料が自分の納得いく金額という3点を譲れない条件として転職先を探し、その条件に合った職場に転職しました。
転職先では、その3点は守られているものの、その他ははっきり言って不満だらけです。
毎日半端なくストレス溜まります。
それでも、自分が最優先していた3点がまずまず理想通りなので満足していますし、暫くは転職を考えることはないと感じています。
人によって考え方は様々だと思いますが、転職をする際の一つの意見として、参考になれば幸いです。
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私の看護師の友人は、知り合い経由で転職をしていたけど、条件面悪く、本人はその条件が良いのか悪いのかさえ気づいていなかった。
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