H27年に団塊の世代が65歳を迎え、現在日本は2.6人に一人が高齢者であるといわれています。
高齢化社会に対応するため、日帰りで介護サービスを提供するデイサービスの数も今では小規模の施設も含めて全国で40000施設を超えており、看護師の受容も高くなっています。
そのため、最近はデイサービスで働く看護師も増えていますが、「実際のところ、デイサービスの看護師ってどんなことするの?」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、デイサービスで働く看護師の役割についてお伝えしたいと思います。
目次
デイサービスにおける看護師の配置について
現在、利用者が10名を超えるデイサービスについては、専従でなくとも看護師を一名は配置することが定められています。
そのため、デイサービスに通所している利用者数によって配置されている看護師の人数も異なります。
30人近くを一人の看護師が看ている施設もあれば、リハビリ型のデイサービスなどでは2、3人の看護師で看ている施設もあります。
2、3人で看ている施設は、何かあっても他の看護師に相談できますが、1人しか看護師がいない施設では医療的な判断をその看護師に求められるので、急変時などには看護師としての判断能力を求められることがあります。
このようなことを聞くとデイサービスで働くことが少し怖く感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、決してデイサービスで働く看護師に求められることはそのようなシビアなことばかりではありません。
では実際に、デイサービスで看護師がしている仕事内容は急変時の対応以外にもどのようなものがあるのか具体的にご紹介していきたいと思います。
デイサービスでの看護師の仕事内容
1.健康管理
通常、デイサービスで看護師に求められることは、デイサービス利用者の健康管理です。
健康管理の一環として、利用者がデイサービスに到着すると、まずその日の体調チェックのためバイタル測定を行います。
デイサービスによっては、入浴サービスを提供しているところ、リハビリを実施しているところもあるので、測定したバイタルに応じて入浴の可否やリハビリ実施の可否の判断を看護師が行います。
もし、バイタルサインに異常がある方については、休息を促したり、ご家族と連携をして受診勧奨をしたりすることもあります。
2.服薬管理
利用者によっては内服薬を持参されている方もいるので、内服薬管理についてもデイサービスの看護師の大切な役割の一つです。
昼食や夕食の時間には、確実に看護師が利用者に与薬を行います。
利用者の中には、インシュリンなどの注射を持参されている方もいるので、必要時注射の実施や介助を行う場合もあります。
また、内服薬だけではなく、軟膏などの外用薬についても看護師が管理を行います。
入浴後などには、適宜看護師が外用薬の塗布を行ったり、経皮外用薬の貼付が適切に行えているか確認をしたりします。
3.簡単な処置
病棟に褥瘡のある患者さんがいるように、デイサービスでも在宅で褥瘡が出来てしまった患者さんが通所されていることが多々あります。
そのような患者さんについては、かかりつけ医の指示に基づいて褥瘡の処置を行うことがあります。
また、利用者の中には、定期的に摘便が必要な方、膀胱留置カテーテルの交換が必要な方、ストマの交換やケアが必要な方、吸引が必要な方などもいらっしゃることがあります。
そのような利用者の処置については看護師にしか実施することができないので、適宜看護師が処置に入ります。
また、爪切りについても看護師にしか実施することが出来ない処置の一つです。
デイサービスでは爪切りの頻度が高く、1人の爪切りを始めたら「私も、僕も」と次々に詰め切りを利用者の方にお願いされることもあり、利用者からはとても喜ばれる処置の一つです。
4.外部医療機関や家族との連携
利用者の中には、病院を退院してすぐにデイサービスに通所しはじめる方もいらっしゃいます。
そのような方については、退院後の様子について、家族を通じてかかりつけ医と情報の共有を図ったりします。
また、デイサービス以外にも訪問看護を利用されている方については、一貫したケアが提供できるように訪問看護師と情報共有などを行って連携を図ることがあります。
5.レクリエーション
病棟で働いていたときには、レクリエーションなどは看護師が実施する機会はほとんどないと思いますが、デイサービスでは看護師も介護士と同様にレクリエーションを行ったり、簡単な機能訓練を行ったりすることがあります。
レクリエーションは利用者の笑顔を引き出せるとても良い機会です。
また、施設によっては気候の良い時期には外出をして、利用者に四季折々の風景を楽しんでもらうレクリエーションを行っている所もあります。
そのような時には、利用者の安全管理を行うことも看護師の大切な役割ですが、利用者の笑顔が引き出せるように、利用者とコミュニケーションをとったり、利用者の話にゆっくりと耳を傾けたりすることも看護師の大切な役割です。
デイサービスで働く看護師事情~まとめ~
ここまでご紹介してきたように、デイサービスで働く看護師の仕事内容は病棟で行ってきた看護師の仕事がとても活かせるものばかりです。
ただし、デイサービスは病棟とは異なり、処置や治療に追われることもないので、ゆっくりと利用者と関わることができます。
もちろん、看護師は医療的な判断や処置を行うために配置されていますが、利用者とゆっくりとコミュニケーションをとることで信頼関係を作り、なんでも相談できる医療職という立ち位置を築くこともとても大切な役割の一つです。
このように、デイサービスでの看護師の役割は、ゆっくりと対象者と関わりたい、より丁寧で生活に根付いたケアを提供したいという看護師にとってはとても魅力的です。
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