みなさんは訪問入浴について、どれくらい知っていますか?近年では、厚生労働省が在宅療養を推進しており、在宅で過ごす方達も多様化してきています。
「寝たきりだから」「呼吸器がついているし」「末期癌で体力も落ちているし難しそう」看護師や家族も自宅での入浴を諦めていることが少なくありません。でも、訪問入浴なら簡単に叶うことなんです!
今回は訪問入浴のやりがいについて、基本的な事から実際の現場のことまで、皆さんにご紹介していきますね!
目次
訪問入浴の基本を知ろう!
対象者は在宅で療養している方
訪問入浴の対象となる方は、自宅で療養している方です。介護保険や医療保険、自立支援制度をつかっている方が対象になります。例えば、施設に入居している方は使えません。持っていく浴槽を使用するので、自宅のお風呂は使いません。
自宅へ訪問入浴って何するの?
3人1組でお家へ伺い、持ってきた浴槽を使って療養者さんにお風呂に入っていただきます。看護師が入浴前にバイタルチェックや観察をして、入浴の可否判断をします。安全に安楽に入浴できるよう、3人で力を合わせて入浴介助します。入室から退室まで、45分ほどで終わります。家が狭くて…という方でも大丈夫です!たたみ1畳分のスペースがあれば、自室でも台所でも入浴できます。
どんな疾患の人が利用するの?
軽度の介助の方だと、介助で歩行ができるターミナル癌、慢性閉塞性肺疾患、重症不整脈など。介助量が大きい方は、いわゆる寝たきりの方で、脳梗塞後の麻痺やALS、全身性エリテマトーデスなど多岐に渡ります。呼吸器や膀胱留置カテーテル、胃瘻の方もいます。
訪問入浴の1日の流れ
訪問入浴の1日の流れを見てみましょう!
9:00 業務に出発する前にカルテに目を通し、その日のスケジュールを把握します。その後入浴車に乗り込み、各患者とそのお宅に関する注意事項や申し送りを行い、スタッフで情報を共有します。
9:30 3人1組で出発!お宅に到着したら、入浴に伴う物品をヘルパーさん達と共に運び、患者のバイタルを測定したりご家族に様子を伺うなどし、入浴の可否判断をします。入浴が可能であれば脱衣の介助を行い、入浴の準備を進めていきます。
入浴中は体調の変化に注意し、ヘルパーさんと洗体を行います。ゆったりとした雰囲気で入ってもらえるようにします。また、入浴中に浴後の処置の準備や着衣の準備もしておきます。浴後は着衣の介助や、入浴に伴う処置を手早く行います。
浴後の環境が落ち着いたら、入浴に伴う体調の変化が無かったか、再度バイタル測定や観察をし確認します。複写式の記録や、お宅のノートなどに入浴に関する記録を行い、挨拶をして、そのお宅での訪問は終了です。
10:15 終了したら、使用したタオルや物品を運び、入浴車で次のお宅へ向かいます。
12:00 会社に一度戻り、みんなでお昼休憩です。スケジュールによっては、途中のファミリーレストランで休憩、ということもあります。
16:00 予定されている訪問スケジュールが終わったら、事業所へ戻り、カルテ整理や使用した物品の点検、消毒を行います。又、体調の変化や患者に関して情報共有が必要な事が生じた場合、他職種に連絡をとることもあります。
17:00 業務終了です!帰宅します。
訪問入浴のここが面白い!
本人も家族も、入浴を楽しみにしている!
日本人は多くの方がお風呂好き。本人も家族も、週に一度のお楽しみ、と訪問入浴を待ちに待っています!
入浴前から会話がはずみ、入浴中や入浴後のすっきりと穏やかな表情を見ることができます。このリラックスしたひとときを提供できる喜びがあります。
療養生活を支える、チームの一員になれる!
在宅での療養生活は他職種で支えており、横のつながりが大切です。訪問入浴もその一端を担っており、入浴の他にも、リラクゼーションや全身の皮膚の観察、情報収集など、療養者を支えるチームの一員として大切な役割があります。
また、多くの方が週に一度、訪問入浴を利用します。(中には週に3回という方も!)毎週、時には10年以上にわたり、訪問することも。これだけの訪問頻度と長いお付き合いになると、家族のような親しみを持っていただくことも多いです。
楽しい雰囲気で仕事ができる!
療養者の方にとって、お風呂は療養生活の中の楽しみの一つです。訪問入浴の時は楽しんでもらえるよう、みんなで場を盛り上げます!わいわいと私語を交えて笑いながら働いていい職場って、中々無いですよね!療養者の方も笑顔、家族も笑顔、私たちも笑顔!サービスを提供する側ですが、私たちも得るものが多いのです。
また、訪問入浴は体力勝負なので、若いスタッフが集まる傾向にあります。移動途中も休憩中も、みんなでわいわい!楽しみながら働くことができます!
看護師の訪問入浴のやりがい!こんなに喜ばれる現場! ~まとめ~
いかがでしたか?訪問入浴の概要や流れ、やりがいなど、理解が深まりましたか?訪問入浴の看護師は、一度始めるとハマってしまう看護師さんも多い分野です。
興味を持ったら、最初はパートでも良いので体験してみてください!きっとあなたも訪問入浴の魅力にとりつかれること間違いなしです!
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