目次
正看護師と准看護師の違いとは?
≫資格の違い
正看護師と准看護師では資格自体が異なります。正看護師の免許は厚生労働大臣から発行される国家資格で、准看護師の免許は都道府県知事から発行される公的資格です。
准看護師の資格は2年間学校に通えば都道府県知事試験を受験し、合格すると取得できます。
正看護師よりも早く免許取得ができるため、以前は准看護師の人気も高かったですが、現在は看護学校に通う学生の方が多くなってきています。
正看護師の免許は高校卒業後、大学か専門学校・短大に3~4年通わなければならないため、資格取得までには時間がかかってしまいますが、国家資格を取得することができるので現在は人気が高くなっています。
≫仕事内容の違い
実際に病院やクリニックで働く正看護師と准看護師の間には業務的な差は特になく、同じ看護業務を行うことができます。
しかし、正看護師と准看護師の大きな違いは准看護師が自分自身の判断で看護を行うことができない点です。
准看護師は、医師や看護師の指示のもと看護業務を行うことができるようになるため、指示を出されなければ自分の医師で動くことができません。
また、責任を問われる場合にも、准看護師は医師や看護師の指示のもと看護業務を行っているため、医療ミスなどが生じた時は指示をした医師や看護師が責任を負うことになります。
≫募集条件の違い
医療機関が看護師の募集を行うとき、正看護師と准看護師には違いがあります。
看護師募集と記載されている場合は、主に正看護師の募集のことで、准看護師を募集している場合にはカッコ書きなどで記載されていることが多いです。
准看護師は正看護師よりも安い給料で雇用することができるため、個人病院や診療所・クリニックなどで募集が多いです。
反対に急性期病院や国公立病院などの大きな病院では高い医療技術が求められるため、正看護師の募集が多く、准看護師の募集は限られてしまいます。
≫働きやすさ
現在は正看護師の方が給料が良く、国家試験で職に困らないということもあり、人気が高くなっていますが、准看護師は短い期間で資格が取得できるため、忙しい主婦などには根強い人気があります。
准看護師は、昇給や出世とは無縁ですが、共働きの主婦や忙しい主婦にはパート代わりに非常勤で、自分のペースで働くことができるため、仕事と家庭の両立がしやすいというメリットがあります。
また、准看護師から正看護師へのキャリアアップも可能なので、自分の努力次第で正看護師の免許を取得することも可能です。
正看護師と准看護師の給料の違い
正看護師と准看護師の給料の違いは、日本看護協会の調査結果によると月々5万円程度の差があると言われています。上記でも説明しているように正看護師と准看護師の業務内容はほとんど変わりませんが、責任の重さなどの違いがこの給料の差にあらわれています。
年間で計算すると約60万円もの差になってしまうため、金銭的には准看護師のデメリットが大きいです。
しかし、准看護師はパートやアルバイトでの雇用が多いため、勤務時間を自由に決めれたり、短いなどの働きやすいというメリットはあります。
また、正看護師は師長や部長などの管理職への昇格も可能ですが、准看護師は昇給・昇格はできません。
いずれ、自分が管理職になりたい方は准看護師ではなく正看護師の免許が必要になります。正看護師は勤務年数を重ねていくとともに昇給が可能になってくるため、准看護師との給料差は年齢を重ねるごとに大きくなってしまいます。
看護師資格の一本化とは?
現在、日本看護協会では看護師資格の一本化が進められています。一本化とは看護師資格を正看護師のみにして、准看護師の資格をなくそうという取り組みです。
高齢化が進む日本では、看護師だけでは十分な看護技術を提供することは難しく、准看護師の需要も高くなっていたり、個人経営の施設では低賃金で雇用できるため勤務先には困りません。
一方、准看護師より看護師資格を取得する学生が増え、准看護師の資格を取得できる学校へ通う学生も少なくなっています。
いずれ、正看護師の資格のみになる可能性も考えられますが、准看護師の需要も高い現在では看護師の一本化はなかなか実現できないようです。
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