現在、悪性新生物(がん)は日本人の死因の第一位を占めており、2人に1人はがんになると言われている時代です。
私たち看護師もがん患者の看護もおこなう機会もおのずと増えていくことがわかると思います。
では、がん看護とは具体的になんでしょう。今回は簡単にがん看護の仕事内容についてと、携わる上でのメリット・デメリットについて紹介していきます。
これから、がん看護を目指していく方、参考にしてください。
目次
がん看護の仕事内容
がん看護と一口に言いますが、内容はとても深いです。がん看護の領域は多岐に渡ります。どういうことかといいますと、がんのステージと治療内容によって看護がそれぞれ内容が異なります。
がん治療の急性期にある手術における看護、その後の再発予防治療、もしくは初期治療の化学療法、放射線療法、分子標的薬、そして、緩和ケアなどがん看護に携わるには、幅広い知識を求められます。
- 化学療法
- 放射線治療
- 緩和ケア
の3つの仕事内容における看護師の役割を見ていきましょう。
化学療法における看護師の役割
化学療法は抗がん剤を使用します。それぞれがんの種類によって、使用する抗がん剤や量、回数、投与時間などレジメンがあり、病院によってはクリティカルパスがあるかと思います。
また、使用する抗がん剤によって副作用なども違ってくるので、使用する抗がん剤の確認、レジメンの確認はきちんとおこなう必要があります。投与の際は、安全に使用しましょう。
投与期間中は副作用が出現することが多々あります。患者様には安楽に治療を受けてもらう必要があるので、そのつど支援が必要になります。
化学療法のポイント
- 化学療法実施前・実施中・実施後の看護をきちんと理解する
- 抗がん剤への理解を深める
- 今後の治療に向けてモチベーションの維持と支え
などがあげられます。実施における看護の注意点はここではあげませんが気になる方、学びも深めたい方はぜひ勉強してみてください。
化学療法はスタンダードな治療のため、基本的な知識が求められます。抗がん剤によっての副作用なども異なりますし、何より
そして、化学療法の認定看護師というスキルアップすることが出来る分野でもあり、まだまだこれからの分野でもあると思います。
放射線治療における看護師の役割
がん治療でよく使用されるのが、化学療法と放射線治療の併用です。がんの種類によっては放射線治療単体でおこなうこともありますが、だいたいが、なんらかの治療と併用しておこなうことが多いのが放射線治療になります。
放射線治療とは、腫瘍の部分に局所的に放射線を当てる治療になります。放射線を当てることで、成長を遅らせることや縮小することができます。また、再発予防や手術後に追加治療としておこなうこともあります。局所的におこなうことができるので、全身への負担が少ないので、比較的に広い年齢層の方がおけることが出来ます。
放射線治療のポイント
- 放射線治療の副作用の理解
- 放射線をすることで皮膚トラブルへのケア
- 毎日治療があるため、治療意欲の維持
などがあげられます。放射線は局所的で、比較的に機能も温存できますし、全身への負担が少ないとはいえ、副作用はあります。中でも、皮膚トラブルは避けられない副作用になるので、十分に知識を得ておく必要があるかと思います。
放射線治療は毎日治療をおこなう必要があるため、外来通院にするか、入院にするか、考える必要があります。患者様の生活状況やADLに合わせた治療環境が提案できるといいですね。
緩和ケアのおける看護師の役割
以前は緩和ケアとは治療が何も出来ない方がおこなうものというイメージがありましたが、現在は早期からがんの治療と並行して緩和ケアが導入されています。ですので、死を直前としている方のみがケア対象となっているわけではなく、がんと診断された方の全ての人が対象となります。
具体的には緩和ケアとは身体的な苦痛のみでなく、精神的な苦痛や社会的な苦痛、スピリチュアルな問題などの緩和も目的とされており、主に患者様のQOLの向上を目指します。また、ケアするのは患者様だけでなく、その家族の苦痛にも向き合っていきます。
病院によっては緩和ケアチームがあるところもたくさん存在するので、なんとなく知っている方がたくさんいらしゃるのではないでしょうか。
緩和ケアのポイント
- 身体的苦痛の緩和
- 精神心的苦痛の緩和
- 社会的苦痛の緩和
- スピリチュアルな苦痛の緩和
があげられます。苦痛の緩和が出来、患者様が安心して治療に臨み、前向きな人生を送ってくださる援助をしていくので、看護師として、勉強して知識を深めていくことが必須になります。
がん看護に携わるメリット・デメリット
メリット
- 専門的な知識を学ぶことが出来る
- スキルアップしたい場合、がん看護の場合、多くの認定看護師の分野があるので、挑戦しやすい
- 多くの現場でがんを見ることがあるため、自身の勉強になる
デメリット
- 死と直面することも多く、自身のメンタル管理が必要になる
- 専門的な分野ため、勉強し、覚えることが多くある
- 抗がん剤などを取り扱うこともあり、曝露の恐れがある
看護していく中で、どの病棟にいてもメリット、デメリットはあるかと思います。自分にあった分野がみつかるといいですね。
看護師が行うがん看護の仕事内容・メリット・デメリット~まとめ~
いかがでしたか?ざっくりとしたまとめになりましたが、参考にしていただけたら幸いです。がん看護も学び始めると奥が深く、学びが楽しいと思います。ますます、がん看護が必要とされてくる時代ですので、携わる予定のない方も知識として学んでおきましょう。また、家族が病気になったときなどにも活用できますし、多くの現場で求められてくる知識です。看護師として、学びを深めていきたいものですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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